月は自ら光を放っているわけではなく、太陽の光に照らされているため、昼間にも見えることがあります。明るい月面は青空を背景に浮かび上がります。昼間に月が昇っているか、どこを探せばよいかは、主に月の満ち欠けによって決まります。満月は一般に夜に見える月ですが、上弦の月は午後の空高くに見えることがよくあります。
毎日決まった「月の時間」があるわけではありません。月の出と月の入りの時刻は日ごとに変わり、場所によっても異なります。実際に観察できる時間帯を見つけるには、月の満ち欠けに加えて、現地の地平線、天候、月の高度を考慮しましょう。当サイトの月齢カレンダーでは正確な月相の時刻を確認でき、都市検索からは各地の月の情報を見られます。
月の満ち欠けを目安に時間を決める
月の満ち欠けは、月が空で太陽からどれくらい離れて見えるかを教えてくれるため、観察時刻を考える手がかりになります。新月の月は太陽とほぼ同じ方向にあるため、日の出ごろに昇り、日の入りごろに沈みます。太陽に照らされた面の大部分が地球とは反対側を向いているので、明るい昼空では見つけにくくなります。ごく細い三日月は日の出前や日の入り後に見えることがありますが、低い位置にあり、淡く見つけにくい場合があります。
上弦に向かって満ちていく三日月は、日没後に西の空を探すと見つけやすいことがよくあります。上弦のころ、月は正午ごろに昇り、日没ごろに空で最も高くなり、真夜中ごろに沈みます。そのため、深夜だけでなく、午後から夕方にかけて観察するのに適しています。月面の明るい部分と暗い部分の境界も、双眼鏡や小型望遠鏡で見やすい時期です。
満ちていく凸月は午後から夜にかけて空にあり、真夜中を過ぎてから沈みます。満月のころには日没ごろに昇り、一晩中空に見え、日の出ごろに沈みます。満月を過ぎると、欠けていく凸月は一般に夜遅くに昇り、朝まで見えています。下弦のころには真夜中ごろに昇り、日の出ごろに空高くなり、正午ごろに沈みます。欠けていく細い月は、東の空に見える明け方前の光景となることが多いでしょう。
これらはおおよその傾向であり、正確な時刻を示すものではありません。月の軌道や観察場所によって、時刻や空を通る経路は変わります。月の各相の名称や関係を知るには、当サイトの学習記事一覧をご覧ください。
月が青空に見える理由
月は軌道上で太陽に対する位置を変えながら進むため、多くの日に昼間も地平線上にあります。月が夜の時間帯だけに現れるわけではありません。新月の前後を除けば、月が地平線上にあり、空が晴れているときには、太陽に照らされた月面の一部が十分に明るく見えることがほとんどです。
昼間に月が見えるかどうかは、主に背景との明るさの差で決まります。太陽が大気を照らして空を明るくするなか、月は照らされた円盤が背景より十分に明るく見えるときに見つけられます。凸月や半月は、細い三日月より昼間でも見つけやすいことが一般的です。細い三日月は、照らされた面積が小さいうえに太陽の方向に比較的近いため、見つけるのが困難です。太陽の近くを見て月を探すのは絶対に避けてください。まず月の位置を確認し、太陽が視界に入らないようにしましょう。
月が「夜の天体」というイメージが定着しているのは、暗闇のなかで目立つからであって、夜にしか昇らないという決まりがあるからではありません。昼間の月は、地平線から十分に高く、空気が澄んでいて、空のどのあたりを探せばよいか分かっているときに見つけやすくなります。
月の出が遅くなる理由
地球が自転する一方で、月は軌道上を東向きに移動しています。地球が自転して地表のある地点が元の位置に戻るころには、月も空で位置を変えています。そのため、月が再び同じ地平線上の位置に来るには、地球がもう少し自転しなければなりません。これが、多くの場合、日を追うごとに月の出が遅くなる理由です。
平均すると、月の出は1日に約50分遅くなります。ある新月から次の新月までの月の満ち欠けの周期は約29.53日です。この間に、月は太陽に対して空を一周します。円周をこの周期で割ると、月は1日に平均約12度東へ移動することになります。地球の自転によって空は1時間に約15度動くため、このずれに追いつくにはおよそ50分かかります。
この数値は目安であり、毎日の時刻を正確に予測できるものではありません。月の軌道は傾いており、完全な円ではありません。また、月の軌道が地平線となす角度は場所や季節によって変わります。そのため、月の出が遅くなる時間は平均より短いことも長いこともあります。高緯度地域の一部では、変化が特に不規則になることがあります。毎日50分ずつ足して計算するのではなく、現地の月の出と月の入りの時刻を確認しましょう。
時計だけでなく、見たい景色で選ぶ
クレーターや山々をはっきり見るには、上弦や下弦の前後がおすすめです。この時期には、月面上で月の昼と夜を分ける境界線、つまり明暗境界線が横切っています。斜めから差し込む太陽光によって境界線沿いに長い影ができ、満月の強い光の下では平坦に見えがちな地形が浮かび上がります。満月は肉眼でも印象的ですが、太陽光が見えている面により正面から当たるため、月面の凹凸は目立ちにくくなることがあります。
細い三日月を見るなら、月が満ちていく時期は日没後すぐに、欠けていく時期は日の出前に探しましょう。三日月は太陽の方向に近いため見える時間が短く、高度が低いと、もやや建物、丘などに隠されやすくなります。見通しのよい地平線があると役立ちます。昼間の月を見るなら、月が空高くにある時間帯を選びましょう。月との間にある大気の層が薄くなります。
たとえば、ロンドンの現地情報ページでは、月相と照度、月の出と月の入り、高度と方位角、距離、現地の天気を反映した空の表示を確認できます。数値は場所によって異なるため、別の地域の時刻に頼らず、月の情報ページ一覧から自分の都市を選びましょう。
月の満ち欠けを観察計画に生かす
まず月の満ち欠けと、どのような景色を見たいかを考えましょう。夕方に観察するなら、満ちていく三日月や上弦の月がよい目標になります。夜明け前に出かけるなら、欠けていく三日月や下弦の月が見やすい位置にあるかもしれません。月の円盤全体を見たい場合は満月の日を目安に計画しましょう。ただし、満月になる正確な瞬間に月が最も高い位置にあるとは限らず、観察場所から見えるとも限りません。
次に、現地の月の出と月の入りの時刻を確認し、月の高度と方位角を調べます。高度は月が地平線からどれくらい高いかを示し、方位角は方角を示します。天気を確認し、観察場所にある障害物も考慮しましょう。昇ったばかりの月は遠くの地平線近くで印象的に見えることがありますが、建物や木、もやに隠される場合があります。月が高い位置にあるほうが、はっきり観察しやすいことがよくあります。
月ごとのカレンダーを使えば観察する月相の日付を選べ、都市別の情報ページを使えば、その日を現地での観察機会に結びつけられます。最初に見たときに月が見えなくても、後でもう一度確認してみましょう。月が昇っている途中、沈んでいる途中、あるいは昼空に出ていないのではなく雲に隠れているだけかもしれません。