青空に月が見えると、矛盾しているように感じるかもしれません。太陽が出ているのに、なぜ月も見えるのでしょうか。月は暗闇の中でなければ輝けないわけではありません。月は太陽光を反射しており、太陽が地平線の上にあるときに、月も地平線の上に出ていることがあります。月に気づくかどうかは、月の位置や満ち欠け、空の澄み具合、そして明るい月面と周囲の空とのコントラストによって決まります。
最も役立つ手がかりは、月と太陽の角度です。この角度は月の周期に沿って変化し、月の見え方と、月を見つけやすい時間帯の両方が変わります。この位置関係を理解すれば、昼間の月は意外なものではなく、意識して探せる天体になります。
月は十分に明るく、空に浮かび上がる
月は太陽のような光源ではありません。太陽光が岩石でできた月面を照らし、その光の一部が地球に向かって反射します。一方、昼間の空が明るく見えるのは、大気中の分子が太陽光をさまざまな方向に散乱させるためです。この散乱光が、月を見るときの背景になります。
明るい壁を背景にした淡い色の物体を思い浮かべるとよいでしょう。物体が十分に明るく、輪郭がはっきりしていれば、壁が明るくても見つけやすいことがあります。月は見かけの円盤が大きく、太陽に照らされた面も明るいため、とくに空気が澄み、月が地平線より高い位置にあるときには、十分なコントラストが生まれます。もやや薄い雲、まぶしさはコントラストを弱めます。また、低い位置の月は、より厚い大気の層を通して見ることになります。
月の満ち欠けは重要ですが、それだけで見えやすさが決まるわけではありません。細い三日月は、凸月より照らされている面積が小さいため、昼間の空では見つけにくいことがあります。明るく満ちた月でも、地平線に近かったり、雲にかすんでいたりすれば見えにくくなります。反対に、半月は、空が澄み高い位置にあれば、昼間でもはっきり見えることがあります。
月の満ち欠けは月と太陽の角度で決まる
月の満ち欠けは地球の影によって起こるのではありません。月が地球の周りを公転し、その半分を太陽が照らすことで起こります。地球からは、太陽に照らされた半球の見える部分が少しずつ変化します。新月は太陽とほぼ同じ方向にあり、満月は太陽とほぼ反対方向にあります。上弦と下弦では、月と太陽は空でおよそ90度離れて見え、月の円盤の半分が照らされています。
この角度が、月の満ち欠けと昼間の見えやすさを結びつけています。月が三日月や凸月のときは、太陽の真反対にはないため、昼間の一部の時間帯に地平線の上に出ていることがあります。上弦の月は空で太陽より東にあり、午後に見つけやすく、夕方まで見えることが多いでしょう。下弦の月は太陽より西にあり、朝に見えることがよくあります。実際に見える時間帯は、日付と場所によって異なります。
新月から次の新月までの一周期は29.53059日です。この間、月の位置は絶えず変化するため、月の満ち欠けは太陽との位置関係を知る手がかりにはなりますが、特定の時刻に必ず見えることを保証するものではありません。月の形が変化する仕組みについて詳しくは、月の満ち欠けの仕組みをご覧ください。
上弦と下弦は見つけるのに好都合
昼間に月を探すなら、まず上弦か下弦の前後の日を試してみましょう。半分が照らされた月は形が大きくはっきりしており、太陽から離れているため、細い三日月より見つけやすくなります。上弦の月は午後から夕方早い時間帯、下弦の月は朝から午前遅くの時間帯に見つけやすい傾向があります。ただし、これは決まった時刻に必ず見えるということではありません。地平線の見通しや季節、月の位置によって、月が地上の景色より上に出る時間は変わります。
凸月も昼間に見つけやすいことがあります。満ちていく凸月は午後の空に見えることが多く、欠けていく凸月は朝に見えることがあります。照らされた円盤の面積が大きいほど見分けやすくなる場合がありますが、明るいからといって、もやや雲の中でも必ず見えるわけではありません。太陽のある方向から目をそらし、空の澄んだ部分を見渡すと、月を見つけやすくなります。
三日月は、見つけるのがより難しくなります。満ちていく三日月は夕方の空で太陽の近くにあり、欠けていく三日月は朝に太陽の近くにあります。細く光る弧は印象的ですが、照らされた面積が小さく、太陽のまぶしさにも近いため、見つけるには注意が必要です。双眼鏡や望遠鏡で太陽を見てはいけません。太陽の近くにある三日月を探すときは、とくに注意してください。
満月が正午ごろに見えることはほとんどない
満月のとき、月は空で太陽の反対側にあります。この位置関係では、月は夜の大半に地平線の上にあり、日没ごろに昇って日の出ごろに沈みます。昼と夜の境目ごろには昼間でも見えることがありますが、正午ごろにはたいてい地平線の下にあります。そのため、満月が明るく見えるからといって、日差しのある午後の空に出ているとは限りません。
新月では、逆の位置関係になります。月は太陽と同じ方向の近くにあり、地球から見える月の表側はほとんど照らされません。昼間に地平線の上に出ていることがあっても、太陽のまぶしさに紛れてしまうのが一般的です。新月の直後や直前には、非常に細い三日月が日没や日の出のころに見えることがありますが、観察は容易ではありません。注意すべきなのは昼間であることだけではなく、太陽に近いことです。
だからこそ、「月が昼間に出ている」というのは、特定のひとつの月相についての話ではありません。さまざまな月相の月が、太陽と同じ空に見えることがあります。月の満ち欠けからわかるのは、月の表側のどれだけが照らされているかです。月と太陽の角度の隔たりからは、太陽からどれほど離れた場所を探せばよいかがわかり、地元の地平線の状況からは、そもそも月が昇っているかどうかがわかります。
自分の場所に合わせて昼間の月を探す
月を探すときは、勘に頼るより、時刻と方角を決めておくのが実用的です。都市別の月情報ページでは、場所を選んで、現在の月相と照明率、月の出と月の入りの時刻、高度と方位、距離、現地の天気を踏まえた空の状況を確認できます。昼間に月を観察する場合は、高度がとくに役立ちます。月が空の高い位置にあるほど、地平線付近のもやと見分けやすいことが多いためです。方位がわかれば、太陽の方向へ視線を向けずに、空のどのあたりを探せばよいかがわかります。
具体的な計画を立てるなら、上弦の前後の晴れた午後を選びましょう。地域の月情報ページで、月が地平線の上に出ているか、空のどこにあるかを確認し、太陽から離れた青空を背景に半月を探します。すぐに見つからなければ、月が高くなったときや、雲やもやが移動したときにもう一度探してみましょう。ほかの月相を観察する場合は、月相カレンダーで上弦と下弦の日付を調べ、観察する時間帯の現地の空模様を確認してください。
特定の日に見える月を調べるには、日付を指定して検索すると便利です。誕生日の月ツールでは、指定した日の月相、照明率、月齢を確認できます。これらのツールはそれぞれ異なる疑問に答えてくれますが、組み合わせて使うと、実際の空で月と太陽の位置関係を確かめやすくなります。観察の要点は簡単です。月面が十分に照らされて空に浮かび上がり、太陽から十分離れて安全に見つけられる月を探しましょう。